不老不死は人類の夢です。
いつまでも生きていたい。
若い時の姿のままで生き生きと過ごしたい。
古代から現代まで、若返るための研究、実験は繰り返され、未だ老化の秘密は解明されていません。
我々は皆、生まれた時から死を運命付けられ、限りある与えられた生命力の中で生きています。
終わりのない人生はないからこそ、人の尊厳は保たれるのかも知れません。
とは言え、不老不死とまではいかなくとも、細胞の再生が出来れば、人生の可能性が大きく広がります。
多くの研究者が取り組んできた細胞の若返り。
細胞の初期化。
受精卵のような細胞が未分化の状態に戻せるのではないか。
その一つの答えがiPS細胞であり、STAP細胞です。
STAP細胞とは
STAP細胞とは、正式には「刺激惹起性多能性獲得細胞」といい、人為的な操作によってさまざまな細胞になれる能力をもつようになった多能性細胞のことです。
最終的な細胞に分化した後の体細胞を取り出して、簡単な操作を加えるだけで、多能性幹細胞へと戻るとされています。
発見者の小保方氏はその作成方法について、「非常に簡単」「オレンジジュースに浸すだけ」と驚異的な簡潔さで生成過程を説明されていました。
まさに夢のような細胞がいとも簡単に低予算で作成することが可能とのことでした。
世紀の大発見です。
大騒動
しかしながら、この大発見は作成手順が不正確、ES細胞の混入疑い、再現性が無い等と多くの疑問が寄せられました。
結果、小保方氏の発表は誤りとされ、博士号も剥奪され、勤務先の理研も退職することとなります。
上司であった笹井教授も渦中の中お亡くなりになり、TV越しに展開されることがまるでドラマを見ているかのような不可思議な結末に終わりました。
真相は不明のまま消えてしまったような印象です。
気になった番組のこと
その後、数ヶ月か1年以上経ったのか定かではありませんが、とあるTV番組で珍しくSTAP細胞のことが取り上げられました。
インタビューされていたのは生物学者の男性でした。男性はこう言いました。
「STAP細胞が発表された時、我々生物学者の多くは驚きませんでした。”きっとそう言うことだろうな”と思いました。」
「STAP細胞の発見は以前から想像されていたものであり、その仕組みはまだ発見していないだけでした。」
「STAP細胞の生成過程を報道で聞いた時も、そうだろうなと思いました。何故なら我々生物の細胞は何らかのストレスがきっかけで細胞分裂を始めるからです。例えば受精卵は、精子が卵子の外壁を突き破って侵入することで変化します。池の氷は水面に落ちた一枚の落ち葉をきっかけに氷結を始めます。細胞の変化の多くはちょっとした何らかのストレスをかけることで始まるのです。ただ、何がそのトリガーになるのかが分からなかった。STAP細胞のそれはまさに想像していたものでした。」
「皆さんはこのSTAP細胞のことを忘れていくことでしょう。しかし我々研究者にとって、このSTAP細胞は今後ボディーブローのように効いてくるに違いないと思っています。否定しても否定しても、あらゆるところでSTAP細胞現象に遭遇するに違いありませんから。」
現在の細胞生成は
STAP細胞は世に出ることなく、研究自体がタブーであるかのようです。
iPS細胞は研究の中心となり、生成医療に活用され始めています。
しかしまだ足りないことが多いのも事実です。
臓器がなぜ臓器のように生成されるのかが判明していません。
平面の組織は少し再現しています。網膜などの平面組織はiPS細胞により生成され、移植が行われています。
しかしながら立体の臓器が作れません。
”細胞は一体どうやって3次元座標を決めるのか”
分からないのです。
最前線でこの研究をされていたのが小保方氏の上司であった笹井教授でした。
もう、おられません。
この先我々はいつまでも、タイムリミットの中で生きていくしか無いのです。
なんか悲しいですね。
でも私はこう思うのです。
この世界は単純明快で、調和のとれた美しいものをベースに創造されているのでは無いでしょうか。
誰でも簡単に扱える単純で間違いようのない方法が正解のように感じます。
皆さんはどう思いますか。
STAP細胞があればいいのになぁ。
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