漫画家 桂正和先生の初期作品で、現在放送中のドラマ「ウイングマン」の元になった短編です。
※ISBN-10:4420137177
読み切りなのですが、話がよくまとまった秀作で、少年ジャンプの第19回手塚賞佳作受賞作品です。
あらすじ
主人公ツバサは少年のロボットです。
なぜか学ランを着て学校に通っています。
ロボットなのに出来が悪く、いつも先生に叱られてばかりです。
走るのも遅く運動神経はかなり悪い。
ツバサ自身も遅いスピードでしか走れない自分に「なんて遅いんだ」と愚痴る始末。
ロボットなのに勉強はできない、運動もできない、走るのは人間よりも遅い。
一体何のために作られたのか理解に苦しむ存在です。
ある時、事件が発生しクラスメイトが巻き込まれます。
苦悩するクラスメイトの存在を知り、ツバサは自宅の前の自動販売機をクラスメイトに紹介します。
絶望の中、クラスメイトは自動販売機に100円を投入しつつ「こんなことが何になるんだ!」と絶叫し号泣するのです。
自動販売機からガタンと出てくる小型のカセットテープ。
ツバサはカセットテープをおもむろに拾うと、自分の腹部についているバックルにカセットテープを入れます。
バックルは飾りではなくプレイヤーだったのです。
カセットテープの再生が始まるとツバサは突如変身、羽が生えウイングマンそのものに変身します。
ツバサの本当の姿、能力があらわになります。
クラスメイトの無念を晴らすため、ターゲット目掛けツバサが飛び立ちます。
カセットテープに記録されたクラスメイトの思いを読み取ったツバサは、仇討ちを引き受けます。
ターゲットを懲らしめるツバサ。
しかし、懲らしめる最中に突然変身が解け、元の少年ツバサに戻ります。
憎しみの量に応じてテープの再生時間が決まるため、再生し終わると元に戻るのです。
クラスメイトの持つ一縷(いちる)の温情が再生を早めに切り上げたのです。
また元のダメロボットにツバサは戻り、物語が終わります。
作者の桂正和氏は「必殺仕事人をイメージして、代わりに仇をとる物語とした」とのことです。
短編読み切り漫画ですが、大好きな漫画です。
ご興味のある方は是非ご一読ください。
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